遠目でみる

専門家の議論と言うのはとかく近視眼的になりがちだ。

 琴のほうが文化的に正しいというなら、毎日のように楽器にたずさわっている人間が使っている言葉が一般的じゃなく、使わない人間の常識のほうが正しいということになる。この現象を整理してみよう。多数決のような構造で言葉が決まっていくならば「楽器として使っている多数は「箏」を使い、使わない多数が「琴」を使う。そして使わない人間のほうが多数だから…日本語として正しいのは「琴」である」

この話、ちょっと考えて見れば一般名は「琴」も「箏」も区別無く「こと」という日本語であり、一般的には「こと」に「琴」の字を充てていると言う事は判りそうな物だが。
専門家は楽器の本来の名である「ソウ(箏)」を表す漢語を「こと」という日本語で読んでいるに過ぎない。
つまり、どちらも正しいのだ。