このヒトの本職って何だろう?

13日に書いた記事へのコメントを見て気になって確認しに行ったら・・・

 まず問題の十一条の規定を次に掲げます。

「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。」(外務省訳)

 右の十一条の全文を読めば、本条の目的が、いわゆるA級およびB・C級戦争犯罪人を裁いた連合国側の軍事法廷が日本人被告に言渡した刑の執行を、日本政府に引受けさせるとともに、赦免・減刑仮出獄の手続を定める点にあることが、明らかに理解されましょう。

日本は東京裁判史観により拘束されないhttp://www.nipponkaigi.org/reidai01/Opinion3(J)/history/sato.htm より(うまくリンク張れねぇ)

・・・えーと・・・このヒト目が悪いんでしょうか。「裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている〜」の部分を見落としている様です。
更に、

 これで見ますと、日本文で「裁判を受諾する」となっている箇所は、英文では accepts the judgments です。英語の judgments は法律用語として使われる場合、日本語の「判決」の意味に用いられるのが普通であり、「裁判」を通常意味する trial,proceedings とは区別されるべきことは、例えば権威ある法律辞典 Black´s Law Dictionary の説明からも明白です。そこでは judgment は、The official and authentic decision of a court of justice upon the respective rights and claims of the parties to an action or suit therein litigated and submitted to its determination.(司法裁判所が、同法廷に提起されてその判定が求められている訴えないし訴訟の当事者の、それぞれの権利ならびに請求に関して下す、公式かつ有権的な決定)と説明されています。以上から、英語の本文では、問題の箇所は「判決を受諾する」意味であることが明瞭です。

と書いておきながら、

 要するに、十一条の規定は、日本政府による「刑の執行の停止」を阻止することを狙ったものに過ぎず、それ以上の何ものでもなかったのです。日本政府は十一条の故に講和成立後も、東京裁判の「判決」中の「判決理由」の部分に示されたいわゆる東京裁判史観(日本悪玉史観)の正当性を認め続けるべき義務があるという一部の人々の主張には、まったく根拠がありません。

なんて言ってる・・・。記憶障害?自分で条約中の「裁判」に該当する部分は「問題の箇所は『判決を受諾する』意味である」って言ってンじゃん。何で「判決」の中の判決理由」を無視しようとする?「判決そのもの」を受諾しちゃってんだぞ、「判決の効力」ではなくて。

うーん、13日のエントリへのコメントでid:swan_slabさんは「彼らの主張のよりどころとなっているのが佐藤和男氏のこれ」と言ってるが、まさか、はは・・・こんなヨタは拠所にしないでしょう、反東京裁判史観の諸賢は。



20060910追記
佐藤論文の現在のURLはhttp://www.nipponkaigi.org/1700-rekishi/1730-01saiban.html


2chやいくつかのサイトにこのエントリのURLをはっつけてくれる人がいる様だが、反応が鈍い様だw
いくらでもツッコミどころはあると思うんだけどなぁ・・・。ウヨのヒト達は「判決」に「判決の理由」が含まれないと明示してしまう佐藤理論に同意できないだけの知性を持っていると考えるべきなのかな?


もう一個オマケ。2chから飛んできたヒトは是非以下のサイトにも行って見てね。私よりよっぽどきちんとまとめているから。
http://d.hatena.ne.jp/swan_slab/20060909