正露丸の危険性

はてなブックマークで200件近くブックマークされているページに「危険な正露丸の服用」というのがある。コレを見てると「売薬の危険性」という物をひしひしと感じてしまう。
正露丸というのはネタ元ページで言っている様に、あくまでも腹痛と下痢を抑える薬品だ。腹痛の原因を取り去る薬ではない正露丸を服用して腹の調子が良くなった様な気がするのは、単に正露丸で痛みを取っているスキに自分の体の自己修復機能が働いているだけの事だ。
日露戦争でコレが使われたのは、腹痛・下痢が発症した時に治療するまでの時間稼ぎが必要だったからだ。撃ち合いしている時に「ちょっとトイレ行って来ます」と中座するなんて、大抵の敵兵は許可してくれないだろう。だからといって腹がゴロゴロいっている状態で銃の狙いをつけるのも難しい。そこで、この様な「一時凌ぎ薬」が必要になるわけだ。
そんな訳で正露丸は外用の超局所麻酔薬でしかないので、メーカー側も「使用説明書」で「連用は避けよ、改善しないときはすぐ医者に行け」とはっきり記載しているのだ。
さて、ネタ元ページを読み返して見よう。例示されている患者がどんな事をしたか・・・説明書をちゃんと読んでいない事は明らかだ。こういう人がいる限り、どんな売薬も死と隣り合わせではないかと思うのだ。


因みに反正露丸の医者が書いた論文に「正露丸の殺菌作用が期待できない」事を証明したモノがある。面白い着眼点だが、結論として「正露丸は役に立たない」としているところが笑える。まぁ、お医者さんだから大事な会合の直前に腹が下りだした時の対処法なんて気にしなくても良いのだろうなぁ・・・。