コストの問題

も一つ拾いネタ。*1

 ほら、2007年問題とか言われてるのあるじゃん。「団塊世代の優れた技師が引退するので、技術がなくなってしまう。なので、団塊の世代を再び雇え」みたいなやつ。あれなんか、要は団塊の世代とかいうバカたれが「この仕事は俺にしかできない」「若造なんかに任せておけるか」って、慣れれば誰でもできるはずの仕事を利権化して、まともに継承してこなかったという問題なんだよ。

本論の「ワークシェアリング?アホか」という意見には納得できるものの(理由は違うけど)、上記引用部分は、違うと思うけどなぁ。


端的に言って現在の「コスト削減」あるいは「合理化」というのは事実上の「コストのツケ回し」となっている。その為、企業は様々なコストの負担を放棄する事になる。「団塊の世代を再び雇え」論は要するに「職能教育無しに現場に投入できる人材を使いたい」ということ。教育にかけるコストを負担できなくなっているのだ。だから職能を持つヒトが在籍している間は教育の必要なヒトは採用できないし、逆に自腹で職能を得たヒトは比較的簡単に就職できる。つまり「慣れれば」を待つ事ができないワケだ。
更にコストを下げなければいけなくなると、正社員を減らして臨時雇いのアルバイトを増やす。賃金を押さえられるのでそこから職能教育のコストを捻出できるし。アルバイトの待遇が悪いのはもちろん「組合」が悪いんだけどね。実際に統計上新興業界以外では正社員が激減している事からも別に「社員が利権を抱え込んでいる」ワケではない事が判る。


念のため言っておくと、法律上「組合」は別に「労働者」の権利を守るための団体ではない。守るのはあくまでも「組合員」だ。もちろん政治的なアレヤコレヤがあるので労働者全体の権利を守っているような振りをしているけど、法律的には会社に対して自分達の意見を主張するために徒党を組んでいるに過ぎない。だから国粋主義労働組合があってもいいんだよね。
で、政治的なアレヤコレヤの度合いによって守ろうとする範囲が変わる。中核業務以外殆ど全ての業務をアウトソーシングしているのにも係らず自社の正社員以外は組合活動から排除しちゃうような組合*2もあれば、パート・アルバイトはおろか出入りの業者まで巻き込んで活動をしようとする組合もある。イロイロで一概に言えないのだ。


そんなワケで結局は「コスト削減」を目指す限り、若者の就業機会は奪われ、「わーくしゃえりんぐ」なんて絵に描いた餅でしかない。生産が等価なのに就業者の頭数が増えた分の管理コストは誰が払うの?

*1:ってか、ネタ元が集中してるなぁ・・・最近の画一ネタに飽きた時の一服の清涼剤みたいなサイトだ、えぐいけど

*2:こういう組合の役員は会社の覚えが目出度いので出世コースだったりする