意地の悪い拾い読み

文章と言うのは面白い物で、注意深く引用すると(多分)著者の意図とは全く違う結論を導き出すコトができたりする。以下はためしに朝日新聞の中国マンセーな態度を非難した記事からの引用でサンフランシスコ条約11条が戦犯の罪状をも受諾したものであるというコトを主張したもの。


サンフランシスコ講和条約の第11条で受諾したのが「裁判」ではなく「判決」であり、それは判決文中の「罪状の認定」等々の部分を含まないとの議論があるが、それはおかしい。


我国の政府は一貫して「SF条約によって東京裁判の罪の認定を受諾している」という見解を示している事は良く知られている。それに対して「政府は条約を誤訳しているのであり、その見解は誤りである」と主張する者がある。
しかし、その「日本政府見解」に異論を唱える他の条約締結国の政府の見解は聞いた事が無い。私が知らないだけかもしれないが、まぁそう言うことにしておく。話が進まないからw
ということは、条約締結国の間では日本政府の見解で問題ないという暗黙の合意が為されていると言うことだ。

グースの勿忘草でも

■条約の意味を考えよう
 条約というのは「明示の合意」と呼ばれます。国家間の合意事項を文書の形にしたものが条約なのです。

と言っている様に*1、条約は国家間の合意の文書化なのだから「合意事項」は「条文」に優先されると考えられる。*2要は「条文が誤記してんじゃねーの?」というコトだ。
したがって、「東京裁判史観?の受け入れ」はSF条約で日本が飲まされた条件の一つであって、今更国民レベルで文句を言っても、同じく「グースの勿忘草」で言われている通り

 条約を結ぶのは国家を代表する「政府」です。
 その国の政府機関が条約を締結すれば、例え国民の反対があったとしても「条約」の有効性を左右することはありません。国際法の基本です。

という事で一蹴されるだけだ。



どうでしょ。えらくインチキ臭い論立てなのは御容赦願いたい。
勿論グースの勿忘草さんがこのネタに同意するとは夢にも思ってませんよ。

*1:この引用、元のエントリへの反論にもなっちゃいそうなのでヒヤヒヤものだ

*2:元のエントリのケースは国家間に意見の相違があるため、物理的に明示されている条約文が優先される、と私は考える