無謬性ファンタジー

否定論に与する?自衛隊空幕長 - Apes! Not Monkeys! はてな別館

このエントリとその元になったエントリ、及びそれぞれのコメント欄を見ての雑感。


元々エントリのコメント欄でナナシ=ロボ氏の言っている「軍には無謬性ファンタジー*1、又は正義ファンタジー*2が必要」というのはまぁ事実だろう。そして我々が未だ「軍事的裏付けのない平和」を手にしたコトがないという認識も、まぁ正しいと思う。実際に他の方法による成功例がないのだから。


ただ、空幕長氏の提示した無謬性ファンタジーは「過去の無謬性」であるのに対して、軍が必要としているのは「現時点の無謬性」だと思う。
「今、自分は自分の正義を為している」と信じるから彼等は戦えるのであって、昔の自分以外の人の正義など糞の役にも立たない。
だから軍の指導層は「過去にはこの様な失敗があったが、現在はこの様な対策を講じているので同じ過ちは起きない」という「説得」をすべきなのであって、「過去にこの様な失敗があったという話は嘘だ(根拠無し)」みたいな説得はマズいと思う。
「可能性のある過去のミスは未来に対して全て潰しておく」ってのは軍に限らずどんなケースでも必要な態度だと思う、実行できるかどうかは別として。


ってなワケで元エントリのコメント欄で言われる通り、こんな空幕長が存在し得るのは軍事的膠着状態が維持されている現代ならではだなぁ・・・と思いたい

*1:無謬性というのはその定義上、ファンタジーの世界にしか存在できない

*2:正義もその定義上客観的な存在ではあり得ない