スト能力

上のエントリで挙げたBlogの流れで、「弱者とは」という議論を読む。ま、アレですな。モノの「強弱」について範囲を定めようとするのは無理があると思います。最弱から最強まで連続的に変化するのだから、あくまでも「比較して」の話なワケで、100と99を比べれば明らかに99の方が小さいわけで、そこに「99は30より大きいじゃないか」というツッコミをしても、どうかなぁ・・・と。
ま、そんな話は置いておいて、標記の件。話の流れで労働組合の衰退、というか労使協調ネタが出てきましが、私はコレの元凶の一つは「労働者のスト能力の低下」ではないかと考えています。
労働組合の活動が活発だった頃は、大抵の場合ストを打っても即座に会社が潰れるという状況には行かなかったと思います。企業同士がしがらみでがんじがらめになっていたため取引先を容易に変更できないという事情が、ストを打たれたときに経営者側が色々考慮する時間的余裕を与えていたわけです。
ところが、バブル期以降はそのしがらみが外されてきました。例えば日産に部品を納入している工場でストが打たれたとします。すると、どうなるか。日産が部品を納入する会社を変更して終わり。工場は潰れます。
更に、企業の分社化もそれに拍車をかけます。子会社がストを打ったらその会社を一度潰して、経営陣と友好的労働者だけをそっくり別会社に移すという事が可能になります。この手法は国鉄民営化の時に効果を発揮しました。*1
そんな訳で大多数の労働者は労働争議が自分の首を絞める事になるので会社と対立する事ができません。そうなれば労働組合など存在意義がなくなりますから、単なる親睦団体化が進んでしまう・・・という図式ではないかと。
なんでこんな事考えたかというと、現在喧嘩上等組合の活動が活発な会社って揃って「元受けがいない」または「事実上の競争相手がいない」会社なんですもん。

*1:まだ裁判してるみたいですね