保守主義と守旧主義

例えばある事物があったとする。これについて、「過去と現在の間には状況の変化が無いので、この事物を変更する必要は無い」と考える。これが保守主義だ。保守主義者は強いて変更しなければならない理由が無いのに変更を加えようとする者に対して「否」を告げる。だから共産主義保守派なんてのもあり得るワケだ。
さて、この「事物」に係る状況に変化があったとする。この状況の変化に対応してその事物に変更を加えるのを良しとしない者を守旧主義と呼ぶ。守旧主義者は状況の変化とは無関係に事物の不変を求める。彼等は言う。「昔からこうだったんだから、コレが正しいのだ」
別の言い方をすると、歴史というモノはその時々に生きた人々の判断の積み重ねだ。そして保守主義者は過去の判断者の列に加わろうとし、守旧主義者は判断者である事を放棄してしまうのだ。


関係無いけど、機械のメンテナンスも「保守」と呼ばれる。そして機械の保守には部品を新型の物に取り替える事も含まれる。なぜならメンテナンス員が「保守」しているのは機械その物ではなく、機械の出力*1だからだ。

*1:例えば自動車は「移動し、停止する」という出力をする