ワンダリングルワンダ

町山氏の愚痴第二弾(w

ホテル・ルワンダ』でルワンダの虐殺を撮影したカメラマンが言う。

「みんなこれをテレビで見ても『ひどいわねえ』と言うだけで、また何事もなかったように食事を続けるだけさ」

ホテル・ルワンダ』を見ても「ひどいわねえ」と言うだけで、日本は関係ないと思うだけさ。

 だから、自分と自分の家族の生活だけ心配して、余計なことを書かないほうが利口かもしれない。

でも、やるんだよ。

いや、やるのは良いんだけど相手に伝わらなけりゃ100回やっても意味は無いよ。
ある人々は町山氏の解説*1なんぞ読まなくても、映画を見れば「朝鮮人虐殺事件」を想起するだろう。あるいは自分が幼いころ学校で見た「いじめ」のシーンを連想する人もいるかもしれない。ストーリーを自分の方に手繰り寄せる時に、なるべく自分に近い状況に置き換えてみる・・・ってのは良くある話だ。
また、ある人々は町山氏の解説を読んで映画のシーンを振り返り、ぞっとする事だろう。ほんの100年ほど時代がずれていたら自分も「シーンの中にいる」かも知れなかった・・・と。こういう人たちのために彼の解説文はあるのだろう。
また、ある人々は町山氏の解説を読んで「はぁ?」と違和感を感じるだろう。なんで突然関東大震災の時の話が出てくるんだ?と。映画の舞台はアフリカじゃんか・・・と。この手の人達にとっては関東大震災の時の朝鮮人虐殺なんてルワンダより遠い国の話なのだと思う。「自分は悪くない。関係ない」と言いたいのだ。


騒動の発端となったBlogや私が良く見に行くBlogに寄せられたコメントを見るにつけ、「私を責めるな症候群」の人は結構いるのだろうと思う。
例えば凶悪事件が起きた時、マスメディアは犯人がいかに凶悪で人の道を外れた人間であるかを言いたてる。商売でやってるんだから当然だ。誰も「この犯人の人間性は視聴者である貴方と大差無いですよ」なんて言ってる番組なんて見たがらないだろう。
そういう人達に対しては今回の町山氏の解説文は「伝わらなかった」というだけの事だ。伝わらなかったら「次はどんな手でやろうか・・・」と考えれば良い、私はそう思う。
そもそもこの映画、映画開闢以来手を変え品を変え提示されてるネタなんだし。

*1:はてなユーザーの「煙」さんが全文転載してる。有難いね。ttp://d.hatena.ne.jp/kemu-ri/20060304/1141410831