面白いね。

少々鮮度の落ちるネタだけど、Web放浪で拾った話。リンク先の記事はあのmacskaさんなのでそれなりの覚悟が必要。

 方々で話題となっている毎日新聞の記事「<就職性差別>大阪の男性が提訴 派遣会社に賠償求める」(05/14/2006) を読む。大阪府の専門学校生が派遣会社の求人に応じて応募したところ、男性であることを理由に採用を断られたという内容。

この案件は大雑把に言うと、「女性差別と労働搾取のコンボで合理的コスト削減をする」という就労形態に参加しようとした男性が断られた・・・という話。派遣労働には男性を中心に採用する職種も多々あるのだが、この件はそうではない事から以下のコトが予想される。
彼の応募した職種は、「女性である事」を理由に賃金を抑えられる職種
その職種が男女の区別無く賃金を抑えられるなら彼の応募を断る理由は無い。


基本的に、同一給与であるならば原理的に女性である事が必要とされる業務以外では短期コスト面で考えると男性の方がコストが低い。法律上、期間あたりの提供可能労働力が多いからだ。従ってその分女性の給与を若干下げればコスト的には変わらない。
ところが、世の中にある「女性の社会的役割*1」を考えた時、長期的に見て同一条件では女性の労働力がやたらコスト高になるという現実がある。そこでその分のバランスを取るという名目で待遇を下げる。そうなるとこの低い待遇は「女性の社会的役割」に依存している事になる。
で、結局「女性の社会的役割」を前提として作られた業務形態なんだから、男性がソレで行きたいと言ったってなかなか認められない。ま、当然の成り行きだ。


さて、ネタ元のmacskaさんがこの案件の「大元の原因」に着目して女性差別が原因としているのに対してコメントで反論がある様だが、最終的に応募を受け入れた企業がある事から判る通り、男性がその暗黙の権利を放棄すれば問題なく受け入れられるという事案、つまりやっぱり女性への差別待遇が原因・・・ってコトでいいんじゃないかと思う。

*1:結婚したら退職するとか出産では女性だけが長期休暇を取るとか