やっぱり変な判決だなぁ。

総統閣下(と、向井亜紀氏w)の子供の件、やっと判決文を読んだのだが変な判断だと思うぞ。

民法の実親子に関する現行法制は、血縁上の親子関係を基礎におくものであるが、
(p9あたり)

と認定しているんだから、

民法には,出生した子を懐胎,出産していない女性をもってその子の母とすべき趣旨をうかがわせる規定は見当たらず,このような場合における法律関係を定める規定がないことは,同法制定当時そのような事態が想定されなかったことによるものではあるが,前記のとおり実親子関係が公益及び子の福祉に深くかかわるものであり,一義的に明確な基準によって一律に決せられるべきであることにかんがみると,現行民法の解釈としては,出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず,

「出生した子を懐胎,出産していない女性をもってその子の母とすべき趣旨をうかがわせる規定は見当たらず」と言う状態であっても「血縁関係」をもって「実親子」の認定をすべきだと思う。


逆に言うと「血縁関係」が明確なら泣こうが喚こうが「実親子」と一旦認定してしまうべきなんではないだろうか。そうしないと生物学上の親子関係にある甲乙が法律上は親子ではないという状況が発生し、婚姻等の「血族」規定の枠から外れる事になるけど、それでいいいんか?


まぁそれ以前に、どう考えても推定規定でしかない「懐胎・出産」に拘る事が原判決の

本件裁判が民訴法118条による効力を有しないとすると,相手方らと本件子らとの嫡出親子関係については,相手方らの本国法である日本法が準拠法となるところ,我が国の民法の解釈上,法律上の母子関係については子を出産した女性が母であると解されるから,相手方らは法律上の親ではないことになる。一方,本件子らとAB夫妻との親子関係については,AB夫妻の本国法であるネバダ州修正法が準拠法となるところ,同法上,本件代理出産契約は有効とされ,相手方らが法律上の親であって,AB夫妻は本件子らの法律上の親ではないことになる。本件子らは,このような両国の法制度のはざまに立たされて,法律上の親のない状態を甘受しなければならないこととなる。

という「子供の不利益を回避すべき」という判断に優先されるほどの法益があるとは思えないのだが。