国籍法改正

これで役所の窓口の職員も一安心だろう。何せ改正前の法律に従って処理すると違憲行為だし、かと言って法律に反する処理するわけにもいかないし。

 結婚していない日本人の父親と外国人の母親との間に生まれ、生後に認知された婚外子にも日本国籍を認める改正国籍法が5日、参院本会議で与党と民主、共産、社民各党などの賛成多数で可決、成立した。偽装認知への対策が不十分などとの立場から、国民新党新党日本、無所属の計9人が反対し、自民党有村治子衛藤晟一山東昭子の3氏が棄権した。

で、昨日のTBSラジオの「アクセス」のアンケートでネット投票では8割が反対票を投じていたり、反対派が各議員に対してスパムFAX飛ばしてたって噂があったりして心配していたが、流石に参院にはそうそう馬鹿はいなかった様だ。
この反対した9人はおそらくネットユーザーの票をあてにしている一群なんだろうなと思う。彼らの主張を実効力あるものにするためには国籍法改正に反対するのではなく民法を改正する必要があるのに、それを求めていないってことは「ネットユーザーが反対してるから反対」くらいの認識しかないのだろう。


あと、その昨日のアクセスでゲストの河野太郎氏のぼやきが面白かった。自民党右派の人達が反対論に怒っていると。確かに前に書いた変な国籍取得の状況って彼等の考えた「あるべき日本の家族観」が根本の原因なんだよね。だからまぁ一貫性がある・・・と。

平沼氏、大変なことになってる

国会と言うのは名目上「立法の府」だ。つまり「法律を作る機関」ね。


法律を作るときは他の法律とバッティングしないかなどを確認する為に当然ながら他の法律を参照する。例えば、今回の国籍法改正なら民法上の「認知」に係るネタなので、普通は民法の関係条文を確認する。


ところがだ。

平沼赳夫先生:「最大限努力する。しかし、ここまできたら難しいな。自民党公明党だけでなく、野党の民主党が賛成だからな。閣議決定の時点でつぶすべきだった。N大臣は気がつかなかった無念だと言っていた。選挙に向けての地元活動で国会議員が東京を留守にしている間に進められてしまった。本日4時に同志が集まって協議するが、何とか附帯決議にDNA鑑定と扶養義務などを盛り込みたい。」


・・・おーい、山田君。平沼議員に六法一冊あげなさい。ってか、ホントに彼がそう言ったのなら素敵過ぎるなぁ。


追記

反対した新党日本田中康夫代表は「DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務の責任明確化を(国籍法に)明記しない改正は『人権侵害法』に他ならない」と語った。

うわぁぁ、こりゃ平沼議員のネタもガチっぽいなぁ。

国籍の行方

そこらに転がってるDNA鑑定義務化ネタがあまりにも雑なので、色々考えてみる。

代理出産した外国人女性の夫が日本人のケース

認知とは関係ないけど、この場合生まれた子供は日本国籍を得る。DNA的には日本と無関係で、その上日本人と無関係な暮らしをしていても日本の法律的には「日本国民」。もっとも代理出産依頼者の方から否認訴訟すれば一応日本国籍じゃなくなるけど。
ただ、このケースはDNA鑑定しても意味の無いケース。

外国人の子を身篭った外国人女性と日本人男性が偽装結婚したケース

生まれてくる子は日本国民。DNA鑑定で違っていても法律上は日本国民。偽装結婚するぐらいだから本当の父親から否認訴訟される心配もなし。

外国人が代理出産をした日本人夫妻の子供

まあつまりは「総統御子息問題」なんだけど、総統が否認訴訟+認知(ここではDNA鑑定が補強証拠として採用される)すればとりあえず改正法で日本国籍が取れる。問題は否認訴訟をしようにも代理夫妻は居住地の法律によってこの子達の親ではないことになっているので「誰を相手に何を否認するのか」ってコトだけど。
しかし、改正法が潰れたらDNA上は母親も父親も日本人なのに彼等は日本国籍を取れない。

適度に育った外国人を日本男性が(偽)仮装認知するケース

ぶっちゃけ国籍法改正以前に認知の時点で双方の渡航履歴って壁にぶつかるので証明しきれないときはDNA鑑定を補強証拠として出すしかない。また、DNA鑑定がいらないほどクリアな経歴だったら認知された時点で「日本人男性の被扶養者」になってしまうから国籍なんて要らない。ってかむしろ養子の方が使い勝手がいい。結局DNA鑑定を義務化する意味なし。


まぁ結局は日本の判例上親子関係が「外形的血統主義」でありDNA上の繋がりがそれほどクリティカルな根拠ではないってコトが問題。生殖技術とDNA鑑定技術が進化した為に「外形的血統」と「生物学的血統」が異なるケースが存在するのにもかかわらずそれが存在しないかの様に扱ってると。今後は「生物学的にも外形的にも父親が存在しない子」が出現する可能性すらあるのだから、そんな案件が出ても大丈夫な様に各法律の網を広げとかんといけないよなぁ。

ちょいと疑問

もう賞味期限切れっぽい国籍法改正ネタ。
某所でやったインチキ解釈は置いておくとして、今回の最高裁判決のうち違憲性を否定している補足意見を確認していて捻った首の話。
とりあえず一番読みやすくなってると思われるWikipediaから引用する。

違憲

本件区別の違憲
本件区別は、3条1項が制定された当時においては合理的な根拠があり、憲法14条1項に違反するものではないが、遅くとも、上告人らが法務大臣あての国籍取得届を提出した当時には、合理的な理由のない差別となっており、本件区別は同項に違反するものであった。その理由は、多数意見が述べるところである。

違憲の範囲
しかしながら、違憲となるのは、非準正子の届出により国籍を付与するという規定が存在しないという立法不作為の状態であって、国籍法3条1項の規定自体が違憲であるものではない。すなわち、同規定は、前述の如く、創設的・授権的規定によるものであって、何ら憲法に違反するところはない。

これって純粋に「立法不作為」でハネられるのって「3条1項が存在しない場合」じゃない?前段で3条1項の区別が憲法14条1項に反するって認定しているのだから、「区別する行為そのもの」が違憲となってしまうわけで。
合理的でない区別のある「創設的・授権的規定」なんだから、「なんら憲法に違反するところはない」って言うのはいいすぎじゃぁ・・・。


違憲な区別を生じさせる条文が合憲」ってのは筋が通らないというか「自衛隊違憲合法論」みたいな胡散臭さを感じさせるのだ。

ミニノート3種

色々いじってみた感想。

EeePC901X

最近ほとんど弄ってない。ってのは、後述の機種に比べてでかすぎるからだ。大きさがアドバンテージを持つ状況では、いろいろな意味でもっとちゃんとしたスペックのノートパソコンを使った方がいいと思う。ただ、値段の安さは破壊力十分だよなぁ・・・。他のPCが全てVISTAなのでなんかあったときのための緊急用として。

KOHJINSHA SC3

筐体のデザインは最悪で、後述のLOOXと比べると何か野暮ったさ爆発。排熱性能も悪い・・・ってか、それほどCPUの温度に気を使わなくて良かった頃のデザインだと思う。テーブルに置くとえらい事に。
ただ、メモリに余裕があって動作は比較的軽快、エロゲとかやらなければ。実際問題、CPUガンガンぶん回す様な使い方しなければたいていの時間はクロックスピード800MHzでサボってる。

Fujitsu LOOX U/B50

VISTAパソコンの限界に挑戦してみました的なマイクロPC。メモリが1Gで増設不可なのでSDHCでレディブースト仕様にしてるが、何とか使える。まぁ、SC3と同じで800MHzでサボってる運用だからだろうけど。
SC3よりエクスペリエンスの数値は高いけど、メモリの少なさとグラフィックエンジンの謎さで若干モッサリ。
ポインティングデバイスは手持ち運用前提なのかちょっと使いにくい。せっかく何とかタッチタイプ可能なキーボードにしたのだからポインティングデバイスは真ん中か手元に持ってきて欲しかった。逆に手持ちでネットとかしてる時はスクロールがやりにくい。専用のボタンがあるんだけど押しにくいんだよなぁ・・・指紋センサーもイマイチの使い勝手だし。
ただ、サイズの小ささは破壊力十分。これより小さくしたいならカテゴリはミニノートじゃなくてPDAになっちまう。価格面ではネットPCに負け、メモリ量ではSC3に負けてるが、一度LOOXを持ち歩くと他のミニノートは重いうえに邪魔に思えてくる。で、結局持ち歩き用はこれに落ち着いた。表計算ワープロxyzzy+Hownがメインの使い方なら、現行機種ではこれが一番優れていると思う。XP化すりゃもっと快適って説もあるが、VISTAの電源管理も捨てがたいよなぁ。標準バッテリでEeePC901Xと同じ位電源がもつんだもん、自分の使い方だと。

これはびっくり

ニコニコ動画に「志位和夫チャンネル」なんてのがあるのも驚きならば、この動画に付けられたコメントにもびっくり。

D

あぁ、小泉さんありがとう!!
ニコ動でこんなコメント(群)を見る日が来るなんて。


まぁここで挙げたのは「志位ちゃんしてやったり」の動画で、相手の麻生・枡添コンビの答弁がヒドすぎたからなぁ。過度の期待は禁物だけど、この反応がある程度一般的なら共産党も次の選挙でもしかすると。
個人的にはもっと貧富の差がでかくならないと共産党の出番は無いとは思うが、他党の政策に一定の影響を与えられるようになれば十分。

全然解ってないヒト

ま、一行コメントに対する反応なので「解らない」ってのもしょうがないのかなぁ。

こういう、生半可な理解での意見というのは、いかんともしがたいですね。その、民間に伝承されてきた療法や、古来使われている漢方の理論や薬の効果をきちんと確認するのも、「科学」の役割なのです。

メディア等で「カガク的」と(実際に科学的であるかどうかとは無関係に)認定されない限り、「科学ではないから」と拒絶するのが「カガク教徒」なんですよ。・・・ってのは字義を考えりゃ解ることだと思うけどな。
だからNATROM氏がエントリの最後の方で言っていた様な「うまい棲み分け」は現状では難しかろう・・・と。


そもそもこのヒト、普通の人が「その医療が科学的かどうか」なんて確認した上で医療を受けてるとでも思っているのだろうか。たいていの人は「信じて、お任せ」っていうのが通常だろう。逆に言うと、それだから「有害なインチキ医療」が危険な訳で、有害性が確認されたものはガンガン指摘して認識させなきゃならないという現状があるというのに。
で、ヒトによってはこの「信じて」の根拠に「西洋医である」というもの以外は(無根拠に)採用しない一群があるってこと。そしてその手のヒトはNATROM氏の言う様な効果を期待した行動はとらないだろうってコトね。


まぁね、NATROM氏が「こういう使い道もあるよなぁ」って言ってるエントリに対して「○○は納得しないだろうなぁ」って突っ込んでるのに「NATROM氏=○○」って書いてあるって読みをしちゃう様なヒトだから仕方ないか。